C-09平面-イメージデザイン

自分のあたまの中からひねり出す。

絵を描くときの発想やアイディア出しに焦点をあてたカテゴリーです。「イメージを形にする」という意味で「イメージデザイン」と図工ランドでは呼んでいます。心理学的には「絵は心の排泄物」といわれ、絵を描くことによってこどもの心の浄化(カタルシス)が行われるとされています。また逆に描かれた絵や美しい写真などが、人の心にイメージや感情を呼び起こすことも、皆様よくご承知の通りです。中でもとりわけ自分の描く絵と自分の内面との間には、イメージの還流=フィードバックが強く起こるように思います。絵を描くプロセスとは、このフィードバックを通して、自分の内側にあるイメージを大きく豊かに育て、それを外から見える絵という客体に落とし込んでいく作業と言えるのではないかと思います。

このカテゴリーでは、想像したこと、考えたこと、自分の中のイメージを、どんどん絵という形に置き換える、ということをこどもたちにしてもらいたいと考えています。こどもたちに発想の「きっかけ」を提供する、というのが課題としての役割になります。

その「きっかけ」について、これまで様々の試みを行ってきています。まず、言葉です。その中でも一番ゆるい言葉、「想像したことを描きましょう」という言葉だけで実施した例をご紹介します。

きっかけの言葉はほとんどなくても、これだけ豊かに描くことができています。これ以前にも、想像画のテーマ例をたくさん言葉であげたり、ヒントになるような言葉をカードにして、くじのように引いてみてもらったりしたこともありましたが、言葉がたくさんありすぎると、発想もあちこちに飛んで散漫になったり、何を描くか決めきれなくなったりする傾向があることがわかってきました。あまり言葉を出さないか、逆にテーマを絞り込んだ方が、こどもたちも焦点がしぼりやすいようです。

こちらの課題は「想像の生き物」というテーマです。こどもたちは自分の好きな生き物をベースに変化させたり、いろいろな要素を組み合わせたりしていろいろな生き物を創り出していきました。

もっとテーマを絞り込んだ課題です。こちらは「夢の島の地図」をつくろうというもの。地図ですので文字を書き込むのもOKです。どんどん描けるように、色鉛筆を使いました。色鉛筆は表現が弱いのですが、あふれてくるアイディアを次々と絵にすることに重点を置いた課題です。

言葉ではなく、ビジュアルなイメージを「きっかけ」にすることはできないか、という課題も実施しています。こちらはコラージュで、写真というビジュアルと意味の両方が含まれた素材を使ってのおえかきです。大人がやってもおもしろいと思います。まず日頃のおえかきだと描くことが難しい車や人、動物もどんどん取り入れていくことができます。また、そのちぐはぐなイメージのぶつかりあい、思わぬ方向に発想が展開していくおもしろさがあります。小さい子も大きい子もそれぞれに楽しんでいます。

さらに偶然にできるイメージをきっかけに発想しよう、という課題がこちらです。デカルコマニーです。絵の具をたらした紙を折り、広げてできた模様を作ります。ロールシャッハテストはよく知られていますが、ここでは心理テストは関係なく、できあがった模様を使って絵にしていきます。お花に見えた!というところから絵を描いてもよいし、できた模様を切り絵のように使ってもおもしろいですね。

とにかく色々な手法に挑戦する図工ランド。発想のきっかけは、描く紙そのものの形を変えてみることでも良いではないか、ということも数々取り組んできました。絵巻物のような長い紙に描いたこともあります。こちらは丸い形の紙に描いてみました。円の形を生かしたり、魚眼レンズのような表現になったり、おもしろいです。紙をぐるぐる回して描いたりする姿もみられました。

さらにぐにゃぐにゃした形の紙に描いた課題がこちらです。紙のでっぱりにすっぽりと入ったタマゴがかわいい。紙の形からいろいろな発想が生まれました。

発想の「きっかけ」になるものとしては、この他にも様々な可能性があると考えています。音楽を聴いて描く、というのもずっと以前に1度試みたことがありましたし、図工ランドという教室の中でですが、いろいろな発想のきっかけに挑戦していきたいと思います。こどもたちには、成長の過程の中で、自分の引き出しのひとつにいれておいてもらい、こんなお題で絵を描いたなあ、とか、ちょっとへんな絵の描き方したなあ、とまたいつか思い出してもらえたらと思います。大きくなって、いろいろなアイディアを考える必要ができたとき、その引き出しがちょっと役に立つ日が来るかもしれません。

 

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