創造力育成。
図工ランドが考える創造力育成のポリシー
主にメインである本科クラスに対する考え方を述べさせていただきます。
1.手で考える
図工ランドでは「手で考える」をコンセプトの中心においています。
造形も色彩感覚ももちろん大事ですが,それらの根っこにあるのは,
生きていく上での力として,手(=身体性)と頭の連携や協調・フィードバックを獲得してほしい。
それを養う体験を子ども時代にたくさんしてもらいたい,という気持ちです。
この考えは図工ランドオリジナルの考えではなく,カントが「手は第二の脳である」と語った。
とか,他にもネットで検索すれば沢山出てくる考え方です。
主宰者の専門である(あった)建築・環境デザインでも,設計の最初は与件となるベースの図面の上に,
トレーシングぺーパーを置いて鉛筆で線を描いては,消して,上書きして・・
というプロセスを経て考えを形にして行きます。(最近はこのプロセスをPC上でやるひとも多いようですが)
単に考えた結果を描くのではなく。描くことで発想する,そして考えを形にしていく。
ということが大事です。
じっと固まって頭の中だけでぐるぐると考えをめぐらしても,堂々巡りになってしまいがちです。
また,こちらから先回りして教えると,子ども達はいつも「どうやるの」と待ちの姿勢になり,
自ら発想することをしなくなってしまいます。
図工ランドではよく子ども達に言っているのは,とにかく手を動かしてごらん,ということです。
とりあえずできることを何かをしてみる,例えば絵の具を溶いてみる,工作の材料を触ってみたり,ハサミで切ってみる,
描ける部分だけでも描いてみるなどの動きによって,考えがある方向に流れ,形になっていくきっかけになります。
一見無駄に見えるけど大切な,そのプロセスを体得してもらいたいのです。
2.ほめる = プラスのスパイラルをつくる
図工ランドでは「ほめる」ということを基本にしています。
単に,おだてるという目的ではなく,
生徒のアイデアをほめる→生徒は気をよくしてさらに発展させる。
という創作活動に正のスパイラルをつくりたいのです。
「ゾーンに入る」という言葉を聞いたことがありますか?
集中力が極限まで高まって、他の思考や感情、周囲の風景や音などが意識から消えて、
感覚が研ぎすまされ、活動に完璧に没頭している特殊な意識状態。ということのようです。
図工ランドの日々の授業において,子ども達にはこの状態になってもらいたいと考えます。
このような状態をつくるためには,肯定的な環境をつくることが不可欠であると考えます。
そのためには,まず「ほめる」そして,さらによくするためにはこうしたらどうかな,といったさらに上の発想を促す。
もちろん,技術的な面を教えることや,発想のきっかけとなるアドバイスは積極的にしています。
課題にみんなが没頭してシーンとなる。これは実際に年に何回かあります。これをもっと増やしていきたいのです。
3.様々な課題に取り組み,1回の授業で完結する
図工ランド本科クラスは幅広いジャンルの課題のカリキュラムを組んでいます。
子ども達は毎週様々なジャンルの課題を,楽しみながら創作活動をすることを特徴としています。
その内容は「本科クラス」のページでもご紹介しています。
平面と立体の課題を交互に,つまり同等の重さで扱っています。
一般的なお絵かき教室,絵画教室と異なり,それだけ立体(=工作系)を重要視しています。
また,平面(=お絵かき系)も7つのジャンル分けをしたバラエティに富んだ課題です。
なるべく幅広いジャンルの課題を体験してもらいたい,という気持ちです。
毎回の授業は
「課題説明の時間」→「創作活動の時間」→「発表の時間」
という時間配分で進行します。
1時間半の授業時間で完結するとなると,作品の深度は浅くなりがちですが,
私も含めてそうですが,時間があれば,遊んでしまったり,間延びしてしまうこともあります。
そのために,少し厳しい1回完結というルールにしています。
「デザイン力」を養うという目的のため,
課題に対して,発想して,形にして,発表する。
というプロセスを毎回の授業で繰り返し行なってもらいたいのです。