「月は東に日は西に」
ドアの演出をシート表示で行う方針が出てから、最終案に至るまで、半年に及ぶ提案と検討が重ねられました。室番号をデザイン化する案、全体を大きな1枚の図柄とする案なども検討されました。エレベーターホールや廊下から、上下左右を見渡す視点と、廊下を移動しながら連続的に見る視点、最終的には自分のドアを隣と識別する視点、それぞれの見え方の検討が行われました。全体の図柄を優先してしまうと、廊下を移動したときの変化が単調になりました。隣同士の変化を優先すると、俯瞰したときに雑然とした印象になりがちでした。色数を増やしたり、表示を複雑にすることは、コストや維持管理の点から適当ではありませんでした。最終案は色数も少なく、グラフィックも単純ですが、統一感と変化がつけやすいモチーフです。しかも空を舞台に働く人々にとって、太陽と月は特に親しみやすいとのことで、たいへんご好評をいただくことができました。
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